よくカメラでメシ食ってるねぇ〜
いろいろなお店に撮影に伺うのですが、最近よく皆さんに言われます。「よくカメラでメシ食ってるねぇ〜」って。
褒められてるのかバカにされてるのかよくわかりませんが、愛想笑いで返すことになります。
僕がカメラを手にし始めた20年ほど前は写真が撮れることは大変に価値があることでした。写真が撮れるようになるまでにはお金も時間も要りますし、度胸も要りました。
何かあった時にはすぐ高飛びできるように身辺を身軽にしておくことも必要でした。
カメラのお陰で、美味しいものが食べられたり、温泉に泊まれたり、スターに会えたり、一般の方が入れない所に入れていただけたりいろいろな経験ができることが刺激で今現在も続けているわけです。
さすがに近頃はカメラマンが増えたため、ギャラはみるみる減っていきますし、現場での扱いも惨めなものです。
僕もいくつかお仕事のマッチングサイトに登録しています。ほとんど仕事としては受けていませんが、どんな仕事に需要があるのかがわかりますし、稀にサイトを通り越して直接依頼のお話もいただけます。
その中で気になるのが「カメラレッスン」の依頼が意外に多いことです。風景、ポートレート、車、子供などの撮影方法を学びたいとかPHOTOSHOPやLIGHTROOMを使えるようになりたいという方が多い。
90分のレッスンで10000円〜20000円辺りが相場。1回だけなのか複数回のレッスンかで報酬も変わりますが。
中には「絶対カメラでメシを食いたいので教えて下さい」という強い意志が感じられる方もみえます。
この時代にカメラでメシを食っていきたいと思う方が結構いることはなんとなく嬉しい気はしますが、やはりやめておいた方がいいのではないでしょうか?
写真の撮り方よりも仕事の取り方。
カメラや照明機材の扱い方、PHOTOSHOPやLIGHTROOMの使い方は取説もありますし本もたくさん出ていますし、ネットにもためになる情報が溢れています。わざわざお金を払って人に教えを乞うほどのことではありません。そもそも自分で反復練習や研究ができないような人は向いていません。
自分で確定申告ができない方も向いてません。詳しくは書けませんが、ちゃんと確定申告を自分でやらないと無駄に税金を払うことになったり、健康保険料や市県民税か高額になってきて仕事が少なくて大変な時ほどダメージをくらいます。必要経費だからと自分に言い聞かせ、自分の身の丈を知らずにレンズやボディを購入していると服が買えなかったり食費を削ったり、お誘いを断るようになって次第に孤立していきます。僕は正にこのタイプです。
だから僕はちゃんと確定申告しています。今年は8万円の還付金。
天候に左右される仕事、リピートしづらい仕事は極力減らす。
僕はカメラが好きですので、どんなに単価の安い仕事でも空いていれば受けます。撮影は楽しいですから。
ただ天候に左右されたり、被写体(例えば子供さん)のご機嫌に左右される仕事はなるべく断っています。自分の技術や準備ではどうしようもない撮影は、自信を持って納品できないのは悔しいです。喜んでいただくために撮影しているのに「雨が降ってたので…」「子供が泣き止まなかったから…」こんな理由で残念な納品になってしまうのは嫌ですからね。
リピートしない仕事も危険です。プロフィール撮影とか家族写真とかでしょうか。「家族写真はリピートするよ。お宮参りから結婚式まで依頼が来るし友達を紹介してくれるよ」って言う方もみえます。
3兄弟や3姉妹だとしても彼ら彼女らが成長するまで何回の撮影がありますか。紹介してくれるのは同世代同地域のごく限られた範囲の中の話しですよね。
リピートというのは少なくても年1回は確実に見込めないと厳しいです。リピートの仕事を少しずつでも増やしていくことで年間のスケジュールも立てやすくなってきます。
「この時期は毎年暇だから機材をメンテナンスに出しておこう」とか「時間が空きそうだから納期に縛られない部屋でできるブツ撮りの仕事を入れておこう」という感じでスケジュールを管理していけます。
プロフィール撮影とか家族写真、学校関係は本来地元の写真館さんのテリトリーですから。