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ハッセルブラッド500c/m

ハッセルブラッド500c/mという素敵なカメラ

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ハッセルブラッドには6×6㎝判のVシステムと、6×4.5㎝判のHシステムがあります。Hシステムは現行の中判デジタルカメラへと進化しています。さらにVシステムにはレンズシャッター式の500シリーズやフォーカルプレーンシャター式の2000、200シリーズ、広角撮影用のSWシリーズなどがあります。500シリーズの中でも500c/mはシステムの完成度が高く中判カメラの頂点に君臨しつづけていました。

僕もいつかはハッセルを使ってみたいと思いつつその価格と素人には扱いにくいという評価のために長年躊躇していました。ところが35㎜ デジタルカメラの台頭で中判フィルムカメラの中古価格がみるみる下がり始めました。ハッセルブラッドも「使えなかったら眺めていればいいか」とまで思えるほどに価格が落ちてきましたのでついに購入しました。

ボディーは500c/mブラック、C80㎜標準レンズ、A12フィルムマガジン、このセットで20万円以内で納まりました。程度はかなり良いものでしたが2~3回の試し撮りでフィルムマガジンのカウンターが動かなくなったのでマガジンスライド(遮光版)が収納できるものを追加で購入しま した。

約束事さえ守ればこれほど使いやすく理にかなったカメラは無い

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「ハッセルブラッドの取り扱いにはいくつかの約束事がありそれを守らないとすぐに故障して莫大な修理費がかかる」という情報が巷に溢れていますが、どうもガセ情報だったようです。「クランクを回転させ常に次の撮影が可能な状態にしておく」この1点のみを気を付けるだけで、フィルム交換もレンズ交換も非常に簡単にできます。以前使っていたマミヤRZ67の方が取り扱いに慣れるまで時間がかかったような気がします。約束事といっても全てごく当たり前の操作ばかりで理にかなっていてその完成度は秀逸です。写真上がシャッターを切った直後の状態、写真下が次の撮影が可能な準備状態です。カウンター横の2つの窓で確認します。2つの窓が白色であればマガジン交換やレンズ交換などが可能な状態です。

考えてみればハッセルブラッドの500シリーズは500cの発売から60年近くもシステムの変更が無く当時の部品がそのまま現行の機種にも使えるという奇跡的なカメラです。仮に扱いにくいさや機能面に問題があるのであればこの60年の間に修正なり変更なりがあって当然のはずです。

デジタルカメラでは味わえないアナログの魅力

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僕は残念ながらコーティングの違いによるレンズの描写やカールツァイスレンズの解像感というものには鈍感で撮影された写真に大きな影響が出ない限りはほとんど気にしません。それよりも「シュポンッ」というシャッター音や正方形のフォーマットで構図を考えるときのゾクゾク感のような部分を重視してしまいます。デジタルカメラは大変便利でフィルムカメラでの仕事のときに付きまとった「ちゃんと撮れたかな?」という不安感から解き放たれたことが最大のアドバンテージだと思っているのですが、愛着が出るようなデジタルカメラは今のところ出会えていません。その点フィルムカメラには1眼レフに限らず2眼レフのオシャレな風貌やレンジファインダーの背景にある開発の歴史など愛着を持たずにいられないカメラがいっぱいあります。その中でもハッセルブラッドがその完成された機能とともに兼ね備える魅力は眺めているだけでは味わえず、手になじむほどに「このカメラで何か撮りたい!」という気にさせてくれる愛おしいカメラです。