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揚げ胡麻団子

悲願の『揚げ胡麻団子専門店』オープンに向けて記念すべき第一歩

20年程前、中華料理店でアルバイトをしていました。カメラマンになるずっと前です。そのお店にいた中国人の淘(トウ)さんは中国にある点心の専門学校を出て日本に働きに来ていました。点心には2種類あります。餃子や焼売のようなおかずになる点心と杏仁豆腐やちまきのように甘い点心があります。

淘さんは海老餃子の皮を鳥の形に作ったり、高速餃子巻きなど素晴らしいテクニックを持っていましたので暇なときに色々見せてくれました。あるときメニューにはなかった揚げ胡麻団子を作ってくれました。揚げ胡麻団子は甘い点心の部類に入ります。世の中にこんなに美味しいデザートがあったのかと驚いたのを覚えています。

そこで、淘さんに「いつか日本で揚げ胡麻団子専門店を一緒にやりませんか?」と尋ねたところ、二つ返事で快諾してくれました。その日以降、揚げ胡麻団子専門店をオープンさせるために必死で働きました。

ところが選んだ仕事がカメラマンですので、お金が貯まることはなく今日まできてしまいました。淘さんとの約束は忘れてはいませんので、揚げ胡麻団子を試作してみようと思い立ちました。

以前、友人と訪れた占い師さんに僕の前世は和菓子職人だと教えてもらっていましたので、お菓子作りには自信があります。

しかし、20年のブランクは僕の感を鈍らせます。形はまあいいとしても揚げ時間をミスしました。揚げすぎて硬くなってしまいました。味は悪くはないのですが、あのときの驚きまではありません。

そう言えば、淘さんがいくつか秘密をこっそり教えてくれていました。ラードを生地に練り込む…とかそれ以外にもいくつかあったはずですが忘れてしまいました。

もう少し研究して近々『揚げ胡麻団子専門店』をオープンできるように精進したいと思います。