コロナ禍で翻弄されるカメラマン
学校行事の縮小、婚礼のキャンセル、イベントの中止などがずっと続いていますので、スナップや記念日写真を専業としているカメラマンは大変なのではないでしょうか?
この状況では撮影会のようなイベントを企画しても人を集めることでひんしゅくをかってしまいますのでやめておいた方がいい。
そのイベントでクラスターが出てしまったら責任取れませんからね。
インド人預言者の少年によると11月くらいにはなんとか収まるそうですので、それまでは我慢しながらその後のことを考えて粛々と技術を磨くべきです。
アフターコロナを想像すると恐らく紙媒体の需要は今まで以上に下がっていきそうです。
学校アルバムに載せる写真は学校の先生や保護者が、愛娘の振袖姿はお父さんかお母さんが、お店のメニューの料理写真はお店のスタッフが撮影するようになってきています。
この流れは急加速しそうですね。
いつも頼んでいるプロカメラマンが下手くそだとか、ギャラが高いからという理由なら、撮影技術を磨いて低価格で提供すれば仕事は無くならないのですが、どうもそれだけが理由ではないようです。
「素人の自分でもプロが撮ったみたいな写真が撮れる(ような感じがする)」から楽しいんだとか。
「こんな面白いことをお金を払ってプロに頼むより自分で撮りたい!」ということになっていくわけです。
Youtuberさんたちの話を聞いているとのめり込めば大体3年くらいでお金を稼げるカメラマンになってしまっているようです。
現在受けている仕事って僕じゃなくても撮れるかも
今やってる写真の仕事を思い返してみると別に僕じゃなくても撮れるだろうなと思って足が震え出しました。
テレワーク、ネットショッピング、リモート会議など今後も需要が加速しそうな分野には必ずインターネットが絡んでいます。
インターネットにも写真は必要ですが、無料素材やストックフォトで欲しい写真素材が手に入りやすくなりました。
どうしてもという写真でない限りプロカメラマンに頼むことは少なくなっていきそうです。
救世主となるのが動画!
商品の紹介、ハウツー、インタビュー、求人…、動画は写真よりも多くの情報が伝えられます。
スマホで閲覧するだけならデータ容量も少なくて済みます。
デスクトップでの閲覧も最近はスムーズになってきました。
今までに無かった動画を活用したサービスが次々に出てくると思います。
とはいえ、それなりの撮影や編集をするにはまだハードルが高いです。
カメラは安くなってきましたがスタビライザーや動画用の三脚、マイクや照明、外部モニターなども揃えないといけません。
動画用機材は海外製品が多いのでできるかぎり信頼できるメーカーで揃えないといけません。
僕は低価格に釣られていくつもゴミのような機材を買わされてきました。
機材を揃えても上手く使いこなすにはある程度経験を積まなければなりません。
編集するソフトも慣れるまでに時間がかかりますし、大きなデータを処理できるPCも必要です。
しかしこのハードルの高さが大きなチャンスである証拠です。
やってて良かった。
僕の場合、機材の高額化に反比例して報酬が低価格化していくスチールの仕事に疑問を感じていた時に一眼レフに動画機能が付くようになりました。
当初はおまけ程度の機能だから使い物にならないと言っているカメラマンもたくさんいました。
僕は魚眼レンズやシフトレンズでも動画が撮影できることが面白くてハマっていきました。
今年のゴールデンウィークは一切部屋から出ていませんが、溜まった動画編集の作業をのんびり片付けながら機材のメンテナンスをしたり、いらない機材をヤフオクで処分したりして過ごしました。
もし動画の仕事を受けていなかったら生きた心地のしない極貧のゴールデンウィークを過ごしていたかもしれません。
僕にはアシスタントがいませんので、撮影、音声、照明、編集をすべて1人でこなしています。
そのお陰で比較的低予算で仕事が受けられます。
撮影や照明はスチール撮影の技術をそのまま応用できますので意外とスムーズに仕事にすることができました。
今から動画を仕事にする場合に覚悟をしないといけないのは、
大変なことをこなすわりには単価が安いこと。
そのためにこちらは低単価でもこなせるような工夫がカギになってきます。
カメラは何台必要か?
尺はどのくらいか?
4KかFHDか?
スタビライザーを使うか否か?
レンズ交換が必要になるか?
編集にどのくらい時間がかかりそうか?
BGMは無料のものでいくか有料のものでいくか?
納品期日はどのくらいもらえるか?
この辺りをよく考えて報酬を提示します。
依頼者は何にどのくらいお金と時間がかかるのか全く知らない方が多いです。
とんでもなく安いギャラを提示されることもありますし、
大した作業でもないのにかなり良い報酬をいただけることもあります。
動画の場合、「安い仕事だから適当なもを納品すればいい」は当てはまりません。
納品した動画を気に入ってもらえれば何度も発注していただけるケースがスチールに比べて圧倒的に多い気がします。
ということは値段交渉のチャンスも何回もあるということになります。
便利な機材はケチらずどんどん取り入れ、ギャラが安くてもなるべく受けて、撮影の機会をできるだけ増やす。ついでに編集のテクニックも少しずつレベルアップさせる。
そうすればきっと老後も大丈夫。